パーシモンウォールは、「自然素材であること」、「さまざまなウィルスや有害物質の吸着中和効果が持続すること」、そして「自然素材なのに扱いやすく塗りやすいこと」にこだわって開発した塗り壁材です。
しかし、「できるだけ合成素材を使わずに作られた塗り壁材」ですので、もちろん良いところもあれば、良くないと思われる部分もあると思います。
当サイトでご紹介している「パーシモンウォール」は、あなたの大切な時間とお金をかけて、DIYで内装壁を塗るための材料です。
このページでは、パーシモンウォールの製品についてや、DIY施工をする時の注意点などを含め、あなたにとっては「良くない」と思われるかもしれないことを、「製品について事前にご理解いただきたいこと」としてしっかりとお伝えします。
施工後の塗装面について
パーシモンウォールは施工後短時間で表面が硬化するようなアクリル系樹脂を多用していませんので、施工後しばらくの期間は塗った場所にこすれると白い粉体がつきます。
通常は、乾燥により施工後 約3ヵ月程度で落ち着いてきますが、室内の通気や換気の状況によりその期間は変動します。
その期間は施工した場所に、特に、洋服や布などがこすれないようにご注意ください。
また、一定期間過ぎた後でも塗装面を強くこすると付着する場合があります。
(ほとんど通気が無い場所や、常に湿気が溜まりやすい場所に施工した場合に、時間が経っても塗り壁材が乾かずに、白い粉が付着する現象がずっと続いてしまう場合があります。予めご了承ください。)
特に、物や体が頻繁にこすれてしまう場所や、洋服などが直接ふれる場所(クローゼット内部など)、またクローゼットやトイレなど、通気が少なく塗り壁材の乾燥に時間がかかる場所への施工はお勧めしません。
塗り壁の下地について
下地の汚れ(リフォーム時など)
パーシモンウォールは、下地ボードのパテ処理やクロスの剥がれなどがある場合の補修などは必要ですが、基本的にはボードやクロスの上から下塗りのシーラーなどの処理をせずに直接塗れる塗り壁材です。
しかし、リフォームの場合などで既存のクロスなどの上から塗る場合、そのクロスや下地にヤニ・アク・シミ・油分などが付着している状態でその上から直接塗ってしまうと、パーシモンウォールがその汚れなどを吸い上げてしまい、塗り壁表面に汚れなどが浮き上がってきてしまします。
ですので、下地に上記のような汚れがなどがある場合は、下地をきれいにふき取るなどして汚れの無い状態にしてから施工するか、下地の汚れをシーラーなどで止めてから施工する必要があります。
下地ボードの『V目地ジョイント部』の処理について(新築や改築時など)
新築や増改築などで、新たに張った下地ボードの上からパーシモンウォールを施工する場合は、『パーシモンウォール施工ガイド』に準じた下地処理をお願いします。
(パーシモンウォール施工ガイドのダウンロードページはこちら)
特に注意していただきたいのは、下地ボードのジョイント部が【V目地】の場合は、必ず先にV溝部のみに隙間無くパテを埋めて、パテが乾燥してからファイバーテープを貼ってください。
V溝部が完全に埋まっていないと、そこに空気が残ることになり、パーシモンウォール施工後にその空気の膨張などが原因で、パーシモンウォールの表面が膨れてしまうという現象が起こることがありますのでご注意ください。
下地の透過(リフォーム時など)
リフォームなどで既存のクロスの上から塗る場合、色差の大きい模様のクロスの場合にその模様が透ける場合があります。
例えば、トリコロールカラーのような色差の大きい模様は特に影響が出やすいので、そのような下地の上に施工する場合は、白色シーラーなどで下地処理をお勧めいたします。
上の画像のように極端に色差がある部分はご注意ください
特にパーシモンウォール【ローラー】タイプは塗り厚が薄いのでご注意ください。
クロスは剥がさない(リフォーム時など)
リフォームでクロスのお部屋を塗り壁にする場合、既存のクロスを剥がしてしまうとクロスの紙が剥がれずに残ってしまう場合があります。
紙が残っている状態でパーシモンウォールを塗ってしまうと、塗り壁材の水分で紙がふやけて浮いてしまい、塗り壁が乾いたあとに塗り壁そのものが剥がれてしまう可能性があります。
クロスを剥がしてしまって紙が残っている場合は、紙を全て剥がしてから施工するか、下地シーラーなどで残った紙に塗り壁材の水分が浸透しないように止める必要があります。
部分的にクロスが剥がれてしまっている場合は、剥がれた部分を接着剤などで貼りつけるか、ステンレス針のタッカーなどで剥がれや浮きを抑えたうえに、ステンレスですが万一針が錆ても大丈夫なように針の見えている部分をパテなどで薄くコーティングすることをおすすめします。
ただし、【ローラー】タイプは塗り厚が薄いので、上記のように部分的な下地処理をした場合に下地処理の状態が目立ってしまう場合があります。
紙が残っている状態でシーラー処理をした場合でも、残っている紙が凹凸になってしまい【ローラー】で仕上げた際に目立ってしまう事がありますので、パテなどで凹んだ部分を平滑にしてからシーラ処理をすることをおすすめします。
凹凸が大きく残ってしまうような下地の場合は、【ローラー】タイプではなく【コテ】タイプで施工したほうが、凹凸は目立ちにくいです。
クラックについて
パーシモンウォールは粒子の細かい基材により「柔軟性」に優れ、塗り壁自体でのクラックが入りにくい特徴を持っておりますが、クラックが発生する可能性がゼロではありません。
大切な事なので細かい内容を書きますが、以下の項目の事由によりクラックが発生した場合は当製品の責任の対象外となりますのでご注意ください。
1. 建物本体が自然災害(地震・強風・積雪)等で揺れた場合
2. 構造体(木造)の未乾燥によって発生する建物のくるいの場合
3. 鉄骨構造等の異常な揺れの場合
4. パーシモンモンウォール施工場所の温度差が大きい場合(20℃以上の温度差)
5. 地盤による建物の揺れの場合
6. 下地処理の不備によるもの
7. 施工不備によるもの
上記のような理由で、クラックが発生する可能性が「絶対にない」というではないことをご理解ださい。
また、リフォームなどで施工される場合、塗り壁を塗る前から既存の壁にクラックが入っていたり、クロスが切れていたりシワがよっていたりする部分があれば、下地の壁が動いている可能性が高いといえます。
そのような場合は、下地の壁自体を強固にしてから塗り壁施工をしないと、同じ場所にクラックが入る可能性が高くなります。
DIYで塗り壁施工をしようとお考えの場所に、万一クラックが入っていたり、クロスが切れていたりシワがよっていたりする部分がある場合は、工務店などに相談して壁の補強をご検討ください。
パーシモンウォールの仕上げ
パーシモンウォールは、【コテ】タイプと【ローラー】タイプの2種類があります。
DIYで施工する場合の仕上げ方法はある程度限定されますので、それぞれのタイプ別に説明します。
【コテ】タイプの仕上げについて
塗り壁のコテ仕上げにはさまざまなパターンがありますが、もし、コテ跡を残さないでフラットに仕上げる「押さえ仕上げ」をご希望だとしたらDIYでの施工はおすすめしません。
また、パーシモンウォールは粘りがありコテで材料を引きやすくしている反面、パーシモンウォール【コテ】タイプで完全にフラットにするのはプロの左官屋さんでも難しい仕上げ方になります。
パーシモンウォールでDIY施工する場合は「コテむら仕上げ」をおすすめします。
コテむら仕上げはコテ波仕上げとも呼ばれ、コテで塗った跡を自然な感じで残す仕上げ方です。
コテむら仕上げは、塗る方向を壁の上から下へ、コテを動かす方向を左から右へ(またはその逆でも大丈夫です)とある程度決めておき、基本的にその順番で塗ることで自然な感じでコテ跡を残すことができます。
初めは難しいと思うかもしれませんが慣れてくるとあなたなりのパターンができてきますので、自由なパターンを楽しんでください。
上の画像は、上から下へ・左から右へと塗った「コテむら仕上げ」の参考です。
※ご注意
パーシモンウォールは塗りやすく柔軟性がありますので仕上り感も柔らかい感じになります。
そのため、コテ跡の角が「ビシッと」と立つような強いエッジを出すことはできません。
パーシモンウォール【コテ】タイプで施工したエッジの感じ
パーシモンウォールでもエッジは立ちますが、角が鋭く尖るような立ち方はしませんので、そのような仕上がりをご希望の方にはおすすめできません。
【ローラー】タイプの仕上げについて
パーシモンウォールの【ローラー】タイプの塗装は基本3回塗りとなります。
塗装用のローラーは、一般的に「短毛」8mm以下 ・「中毛」13mm前後 ・ 「長毛」20mm以上 の3種類がありますが、DIYでパーシモンウォール【ローラー】タイプを施工する際に使用するローラーは「中毛ローラー」をおすすめします。
■ 短毛ローラーをおすすめしない理由
パーシモンウォール【ローラー】に短毛ローラーを使用した場合、仕上りが細かい目になりきれいですが、毛が短いので一度にローラーに付く材料が少なく、頻繁に材料をつけることになり作業性が非常に悪くおすすめできません。
■ 長毛ローラーをおすすめしない理由
長毛ローラーは、ローラーへの材料の付着量は問題ないのですが、塗る時に材料が飛び散る量も多くなります。
また、仕上りも粗く流れたような感じになってしまいますし、塗装時の「滑り(※)」も多くなります。
※「滑り」とは、塗る時にローラーが回転しない状態で進んでしまう事を言います。
ローラーが滑ってしまうと、滑った部分の仕上りが変わってしまうのでできるだけ避けたいところです。
(滑りは下地の状態によっても多く起こることがあります。)
■ 中毛ローラーをおすすめする理由
中毛ローラーは材料の乗りもさほど悪くなく、仕上りも自然な感じになりますし、長毛ローラーに比べ滑りも少ないため、プロがパーシモンウォールの【ローラー】タイプを施工する時も中毛ローラーで施工することが多いです。
以上の理由から、DIYでの施工であれば作業性が良く仕上りも自然な感じになる中毛ローラーをおすすめしています。
上の画像は、パーシモンウォール【ローラー】を中毛ローラーで塗った参考です。
塗り壁は乾くと痩せる
上の項目にあるように、パーシモンウォールの【ローラー】は塗り厚が薄いので下地の凹凸が塗った後でもわかります。
ということは、下地処理によってできた凹凸でなくても、もともと凹凸のついたクロスなどの上から【ローラー】タイプで施工した場合は、その凹凸がほとんどそのまま表面に浮き出ることになります。
では、パーシモンウォールの【コテ】ではどうでしょうか。
もともと凹凸のついたクロスなどの上からパーシモンウォールの【コテ】タイプで施工すると、塗った直後はコテでならされているので、表面に下地の凹凸があまり目立ちません。
(薄く塗った場合はその段階でも凹凸が出てしまいますね…)
しかし、乾燥により塗り壁材の水分が蒸発していくと、塗り壁材自体の厚みが若干薄くなります。
そうすると、塗った直後には出ていなかった下地の凹凸が浮き上がってくる場合があります。
下の画像は実際に凹凸が大きいクロス(上の画像)と、凹凸の少ないクロス(下の画像)に、下地処理なしで直接パーシモンウォールの【コテ】で施工し、乾燥して下地の凹凸が出てきた状態を撮影したものです。
塗り厚により程度は変わりますが、乾燥後はこのような感じで浮き出る場合があるという参考にしてください。
まとめ
「製品について事前にご理解いただきたいこと」のまとめです。
【施工後の塗装面について】
パーシモンウォールは施工後短時間で表面が硬化するようなアクリル系樹脂を多用していませんので、施工後3~4ヶ月位の期間は塗った場所にこすれると白い粉体がつきます。
また、トイレなど、通気が悪く乾燥に時間がかかってしまう場所への施工は、時間が経っても、触ると白い粉が着いてしまう現象が続いてしまうことがありますのでご注意ください。
【塗り壁の下地について】
■ 下地に汚れがある場合は下地をきれいにしたから施工するか、下地シーラーなどで汚れを止めてから施工して下さい。
■下地ボードのジョイント部がV目地の場合は、必ず先にV溝部のみに隙間無くパテを埋めて、パテが乾燥してからファイバーテープを貼ってください。
V溝部が完全に埋まっていないとそこに空気が残り、パーシモンウォール施工後にその空気の膨張などが原因で、表面が膨れてしまう現象が起こる場合がありますのでご注意ください。
■ 下地のクロス等が色差の大きい模様の場合にその模様が透ける場合があります。
特に【ローラー】タイプで施工する場合は塗り厚が薄いのでご注意ください。
■ 既存のクロスを剥がしてしまうとクロスの紙が剥がれずに残ってしまう事があります。
紙が残っている状態でパーシモンウォールを施工するのは剥がれの原因になります。
【仕上げについて】
■DIYでパーシモンウォールを施工する場合、【コテ】タイプでは「コテむら」仕上げ、【ローラー】タイプでは「中毛ローラー」仕上げがおすすめになります。
■パーシモンウォール【コテ】タイプで「コテむら」仕上げをする場合、コテ跡の角が「ビシッと」と立つような強いエッジを出すことはできません。
■ パーシモンウォールは【コテ】タイプでも乾燥すると痩せて塗り厚が薄くなりますので、下地クロス等の表面の凹凸が大きな場合、施工後時間が経つと下地の凹凸が浮き出ることがあります。
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