「塗り壁材なんてどれも同じようなもの」と思っていませんか?
最近の市場には、さまざまな種類の塗り壁材が出ているので、どれを選べばいいのか迷ってしまうことあると思います。
特に、DIYでの施工となると「塗りやすいかどうか」ということと「材料の価格」が材料選びのメインになってしまうとこが多いのではないでしょうか?
でも実は、塗り壁材は使っている原材料や配合されている材料などにより、その製品の持つ特徴や特性に大きな違いがあります。
つまり、構成している素材により、その塗り壁材が対応できる性質が違うのです。
確かに「お値段」は非常に重要ですし、安くすめばそれに越したことはないと思います。
でも、塗り壁はそう簡単に塗り替えるものではなく、普通は長く付き合ってゆくものですね。
ということは、あなたやあなたの大切なご家族が、長い時間その空間で過ごされるということです。
例えば、5年後、10年後にも、その空間を仕上げる塗り壁材の持つ特徴や特性が、持続できているものなのかどうかということはとても重要ではないでしょうか?
なかには、普段から家づくりの資材に接しているプロの方でも「塗りやすさとか価格以外は、塗り壁材の性能なんてどれも同じようなもの」と思っている方が実際にいらっしゃいます。
プロの方でも一部にはこのように思う方がいるわけですから、一般の方ならなおさらそう考えてしまう方もいらっしゃると思います。
あなたはどうでしょう?
もし、あなたが同じように「塗りやすさとか価格以外は、
もしかすると、あなたは塗り壁材選びで後悔してしまうことになるかもしれません。
なぜなら、塗りやすさや価格だけで塗り壁材を選んでしまうと、あなたが「当たり前だ」と思っていた塗り壁の特性が、実はそうではなかったという可能性があるからです。
あなたが望む、本当に快適な住空間を手に入れるためにも、塗り壁材は使っている原材料により特徴や特性が違うということを
【塗り壁材選びで後悔しない3つのポイント】
『塗り壁材は、どれも自然素材で調湿性が高く、ずっと有害物質やイヤな臭いを吸着分解してくれる』と思っていませんか?
・・・残念ですがそれは少し間違っています。
これまで、塗り壁を検討しているといういろいろな方にお話を聞いたところ、塗り壁材に対して多くの方が上記のような思い違いをしているということを知りました。
”自然素材”の塗り壁材というと、珪藻土や漆喰を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、珪藻土も漆喰も塗り壁としての評判が高く、素晴らしい適性があるので古くから日本の塗り壁材として使われているわけですが、珪藻土や漆喰がそれぞれが有している特性の違いを知っているという方は、意外と少ないと思います。
そこで、ここでは「塗り壁材はどれも自然素材で調湿性が高く、ずっと有害物質やイヤな臭いを吸着分解してくれる」というような、多くの方が塗り壁材に対して思っていることを、
代表的な塗り壁材である珪藻土と漆喰を例にして、わかりやすいように3つの項目に分解して説明します。
≪ Point1≫
塗り壁材はどれも【 自然素材である? 】
代表的な塗り壁材の原材料である珪藻土や漆喰はもちろん自然素材です。
原材料の珪藻土や漆喰に、塗り壁として使うために必要最小限の糊などの接着成分や、増粘剤やつなぎ剤を混ぜた「良質の自然素材の塗り壁材」はたくさんあります。
しかし、中には 塗りやすくするためや、壁が早く硬化ようにするため、さらには価格を安くするためなどの理由で、アクリル系樹脂や接着剤などの合成素材を多く含んだ塗り壁材も少なくありません。
自然素材の塗り壁材は、そもそもホルムアルデヒドを発散する素材を使用していないのでF☆☆☆☆の規制対象外建材です。
逆にいえば、F☆☆☆☆表記をしている製品は、シックハウスの原因物質とされるホルムアルデヒド規制対象にあたる化学物質が入っているので、その物質が発散しないということを証明した認定を取得し、きちんと「F☆☆☆☆の告示」をしているということです。
( F☆☆☆☆については国土交通省の「建築基準法に基づくシックハウス対策について」をご覧ください。http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000043.html )
誤解の無いように言いますが、決して「F☆☆☆☆」表記をしている製品が悪いということではありません。
ただ、残念ながら、製品に「自然素材」と称することに対する規制が無く、どこまでが自然素材製品なのかという線引きをすることができないのが現状なのです。
このような現状を踏まえ、一律に「塗り壁材はどれも自然素材だ」と信じてしまうのは少し違うということをお伝えしたかったのです。
≪ Point2≫
塗り壁材はどれも【 調湿性が高い? 】
自然素材の塗り壁材の中でも、珪藻土は素晴らしい調湿性能があります。
珪藻土には、小孔が多数あるために体積あたりの重さが非常に小さく、その小孔に水分を大量に保持することができ、それが珪藻土の優れた吸湿性や調湿性のベースになっています。
最近では、浴室前に置く「珪藻土マット」や、グラスを置く「珪藻土コースター」などが広まり、一般の方にも珪藻土が水分の吸放出に素晴らしい性能を持っているということが認知されてきました。
しかし、珪藻土そのものには接着能力はないので、内装塗り壁材として使用されている珪藻土には、接着や増粘のために天然の素材や、また、アクリル系樹脂などの合成素材を「つなぎ材」として配合している製品もあります。
そのため、素晴らしい調湿性を有する珪藻土であっても、アクリル系樹脂などの合成樹脂を多く使用してしまうと、珪藻土の特長である調湿性を発揮する無数の穴をふさいでしまうことがあり、つなぎ材が多く珪藻土を数パーセントしか含まないような製品では、期待していたような調湿効果が得られないというケースもあります。
つまり、保温性や吸湿性を活かすために自然素材である珪藻土を選ぶのであれば、つなぎ材もできるだけ自然素材を使用しており、珪藻土の含有率の高いものを選ぶことが重要です。
では漆喰はどうでしょう。
意外に知られていませんが、漆喰単体は調湿性能の高い素材ではありません。
昔の家の壁は土壁で、その上に漆喰を塗っていました。
漆喰は透湿性(水分が通過できる性能)がありますので、漆喰の下にある土壁を含めた壁全体で湿度の調節ができていました。
しかし、現在は下地が調湿性能のない石膏ボードや、リフォーム向けの製品ではビニールクロスの上から漆喰の塗り壁材を塗ることがほとんどで、その場合は漆喰単体での高い調湿性能はあまり期待できないということになります。
つまり、塗り壁材に高い調湿性能を求めるのであれば、原材料が珪藻土であり、原材料の含有率の高く、つなぎ材もできるだけ自然素材を使用している塗り壁材がおすすめということになります。
≪ Point3≫
塗り壁材はどれも
【 ずっと有害物質やイヤな臭いを吸着分解してくれる? 】
実は、この項目が一番誤解されている部分で、「吸着」すること、「分解」すること、さらに「ずっと」を、混同していることが多いようです。
まず、珪藻土の場合はどうでしょう。
一般的に、珪藻土は調湿のために空気中の水分を吸収するとき、有害物質も吸収し吸着するといわれていますが、珪藻土そのものに有害物質や匂いを分解する性能があるわけではありません。
メーカーによりさまざまですが、有害物質は水と比べて分子が大きいので、珪藻土が水分を放出する時でも有害物質は吸着したままで、放出されることはありませんという説明をしている製品もあります。
(わざわざ「有害物質を再放出する可能性があります」と説明している製品はまずありませんよね…💦)
では、有害物質は再放出されないという前提で考えてみるとどうなるでしょうか?
発生した有害物質を吸着し続ける…… 普通に考えても年月が経てば飽和状態になりますね。
飽和状態になればそれ以上吸着することは期待できなくなります。
語弊があるかもしれませんが、例えて言うなら冷蔵庫などに入れて使う「性能が落ちたら交換する『活性炭消臭剤』と同じ」ということになります。
では、漆喰はどうでしょう?
実は、漆喰についても誤解されていることが多いのです。
漆喰には有害物質を分解する力があるといわれていますが、その有害物質を分解するメカニズムがどういうものかというと・・・
漆喰の原料は消石灰であり、水に溶かすと強いアルカリ性になります。
空気中のホルムアルデヒドなどの有害物質が、強いアルカリ性である漆喰壁に触れると、消石灰のアルカリ分子と反応することで有害物質を分解し無害化します。
ウィルスや細菌も強いアルカリ性の環境では死滅してしまうことから、カビの発生を防ぐ効果もあると言われており、これが一般的な漆喰の有害物質を分解するメカニズムということです。
また、別の角度から見た「漆喰の素晴らしい特徴」として、主原料である消石灰は空気中の炭酸ガス(二酸化炭素)と反応して、徐々に乾燥し硬化していき壁表面が強固になるという点があります。
でも、実はこれが『誤解のポイント』なのです!
漆喰は施工直後は強いアルカリ性ですが、徐々に乾燥して硬化するにしたがって、強アルカリ性から中性に変化していきます。
でも、漆喰は強アルカリ性であるから有害物質を分解する力があるのです。
つまり中性に変化していくことで、有害物質を分解する力はどんどん弱くなってしまうということです。
漆喰が有害物質を分解する高い効果が持続するのは施工後5~6年程度といわれています。
そして、珪藻土が原材料の製品にしても、漆喰が原材料の製品にしても、「有害物質を吸着分解します」と説明している製品があります。
もちろんそのなかには、その製品のどんな成分や構造によって有害物質を分解しているのかをきちんと説明している製品もあります。
しかし、自然素材だからというだけで有害物質分解のメカニズムの説明を全くしていない製品も多く、また、その効果の持続性について説明されていることはとても少ないというのも事実です。
このようなことが、有害物質を「吸着」すること、「分解」すること、さらに「ずっと」、を混同して考えてしまうことが多くなってしまう理由だと考えます。
いかがでしたでしょうか?
塗り壁材に対して「自然素材で調湿性が高くずっと有害物質やイヤな臭いを吸着分解してくれる」と一律に信じてしまうのは少し間違っているということをご理解いただけたかと思います。
誤解のないように改めて言いますが、
決して、珪藻土や漆喰、F☆☆☆☆製品の塗り壁材を否定しているわけではないということをご理解ください。
さまざまな状況に対応する特徴や性質が、素材によって違いがあるということをお伝えしたかったのです。
塗り壁材を選ぶときに「3つのポイント」から考えることで、あなたが期待する性能や効果に対して、できるだけ後悔の無い選択ができるようなお役に立てば幸いです。
【3つのポイント】をベースに「パーシモンウォール」をご紹介しています。
ここまでご紹介した【3つのポイント】をベースに、当サイトでご紹介する「パーシモンウォールとはどんな塗り壁材なのか」を、下記ページでご紹介しておりますでの、是非ご覧ください。
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